子どものワキガ手術はアリ?

「わきが手術をいつからしてもいいのか」という問題については、なかなか答えが出しにくい部分があります。

 

まず大人についてですが、「手術が必要だ」と自分で決断したタイミングで手術をすれば問題ありません。もちろん、あらかじめ医師と相談して、医師の意見を織り交ぜて判断する必要はありますが、基本的には本人の意思で決めればよいだけです。

 

問題は、ワキガで悩んでいるのが10代のこども、とくに中学生以下のこどもの場合です。

 

ここ10年くらいの間に、こどもの早熟化が進んでおり、ワキガの臭いが強くなる年齢も早まってきている傾向があります。最近では、小学生~中学生くらいからワキガの臭いに悩んでいるこどもも増えてきているのです。当然、解決策として「手術」を望むケースも多くなっています。

 

しかし、子どもの場合は大人と違って本人の意思だけで手術を決めてしまうのは早計でしょう。理由は以下のとおりです。

 

ワキが成長しきっていない

小学生~中学生くらいのころだと、わき毛もまだ生えそろっていないはずです。その段階では、アポクリン腺もまだまだ成長段階となります。なので、今後成長していくにしたがってアポクリン腺の層はいっそう厚くなっていくことが考えられます。

 

つまり、子どものうちから手術を行っても再発する可能性が高いのです。手術をしてアポクリン腺の除去をするとそのときは臭いが取れるかもしれませんが、成長するにしたがってアポクリン腺が増えていくので、結局臭いが元に戻る可能性があるのです。

 

なので、アポクリン腺があらかた成長し、これ以上増えないというタイミングで手術をするのが本当は理想的なのです。

 

子どもが手術の痛みや不便に耐えられない場合も

ワキガの手術方法によっては、子どもが痛みに耐えられずに苦しむことになるかもしれません。例えばワキガ手術でもっとも主流な「剪除法」を実施した場合、ワキを数センチ切開するため出血や痛みが伴いますし、ダウンタイムの間はワキを固定して動かさないようにしないと合併症の恐れがあります。

 

>>剪除法の効果は?再発や傷跡、ダウンタイムについても解説

 

本人が納得すればいいのではないか、と思うかもしれません。しかし、高校生以上ならともかく、小学生~中学生くらいだとどれだけ苦痛があるかなかなか想像できず、実際手術してみたら思った以上にキツくてトラウマになったりするかもしれません。

 

またダウンタイム中はワキを固定することになります。そのせいで勉強がはかどらず遅れてしまい、学力低下ということになったら元も子もありません。

 

子どものうちはデオドラント対策が無難

以上の理由から、子どものうちからワキガ対策を手術で済ませようとするのはあまりおすすめできません。意外と多いのが、母親や父親が子どものことを心配しすぎてしまい、子どもの意思を考えずに手術を押し切ろうとするケースです。この場合子どもは手術への覚悟ができていない場合が多く、手術後の痛みなどに耐えられないことが多くなってしまいます。

 

実際に手術をするのは高校生や大学生以降まで待って、本人の意思が固いようなら手術をするという考え方がよいでしょう。すでに書いた通り、子どものアポクリン腺はまだ成長段階です。言い換えればワキガ臭は大人に比べて弱いはずなので、大人になるまではデオドラント系のワキガクリームなどを利用してやり過ごすのが賢明なのではないでしょうか。

 

子どもがいじめられている場合の対処

難しいのが、ワキガが原因で子どもがいじめられている場合です。「臭い」というのはもっともいじめの標的になりやすい要素のひとつなので、子どもがワキガだった場合いじめの対象にされやすいという事実があります。

 

こどもがいじめられてしまうと、両親、とくに母親にとっては一大事で、なんとかして子どものワキガを治さないと!ということで手術を熱望する傾向があります。ワキガが遺伝性のものの場合は、「自分のせいじゃないか」と自分を責めてしまって、余計に視野が狭くなってしまうこともあります。

 

もちろん「いじめられている」という緊急性が高い問題ですから、手術に踏み切るのも仕方ない面はあります。しかし、繰り返しになりますが子どものワキのアポクリン腺はまだ発展途上なので、クリームなどのデオドラント対策できちんと消臭できることが多いです。また、どうしても手術をしたいと思った場合も、剪除法などのメスで切る手術法ではなく、穴をあけたり、注射するだけでできる、負担の少ない手術法を選んだほうがよいでしょう。

 

また、いじめの場合は単に消臭対策をするだけでなく、きちんと担任の先生やPTAなどと連携し、いじめそのものを解決するように動いたほうがよいでしょう。いじめっ子にとってはいじめの理由はなんでもいいわけで、ただワキガというわかりやすい理由があったに過ぎません。なので、臭いがなくなってもいじめられなくなるとは限りません。ワキガを治したからすべて解決すると思わず、粘り強くいじめそのものを解決するよう動いていくことがむしろ大切です。


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