ワキガ手術の種類をまとめました

ひと口にワキガ手術と言っても、さまざまな種類があります。そして、それぞれ治り具合や術後の経過、傷跡の残り具合、さらには費用や保険適用の範囲など、多くの違いがあるのです。

 

なので、ワキガの手術を安易に決断してしまうまえに、自分に合った手術方法を探してみましょう。もちろん、種類を確認した後に、手術以外の道を模索するのもよいでしょう。

 

まずは、ワキガ手術の種類と内容について解説していきます。

ワキガ手術方法その1:剪除法(せんじょほう)

現在最もメジャーな手術法で、別名「皮弁法」と呼ばれることもあります。

 

理念は非常に単純で、ワキの下にメスを入れて切開し、ニオイ成分の元、「アポクリン腺」をはさみで切り離して切除する方法です。その後、切開した部分を縫合して縫い合わせて手術は終了となります。

 

所用時間は片方で30分程度となり、局所麻酔で行うため、イメージほど大がかりな手術ではありません。病院の受付から手術完了までも2時間程度となり、多くの場合その日のうちに退院できます。

剪除法のメリット・デメリット
メリット

・メジャーな手法なので、医院を探しやすい
・保険適用される医院が多い
・臭いの元を断てるので、臭いをかなり減らせる
・手術時間が短く、その日のうちに帰れることも多い

デメリット

・メスを入れるので、傷跡が残りやすい
・医師の技術に左右されやすく、ハズレ医師を引くと後遺症などのリスクがある
・術後、通常通り生活できるようになるまで時間がかかる

費用面は後で詳しく説明しますが、最も主流の方法なので、保険適用可能な医院が多く、安上がりにできるのがメリットでしょう。また、ニオイもかなり減らせるため、重度の患者でも対応可能です。ただし、医師の手でワキにメスを入れる方法なので、医師の技術によってその後の経過が大きく左右される点に注意する必要があります。

 

>>剪除法の効果は?傷跡やダウンタイムについても解説

 

ワキガ手術方法その2:皮下組織削除法

剪除法の次に登場した手術方法となります。ワキの下を2~4センチ切開し、特殊な鋏を挿入して皮膚の中のアポクリン腺をかきだします。アポクリン腺だけでなく、エクリン腺の組織も取り除くことができるので、あわせて多汗症も改善できるのが利点です。

メリット

・エクリン腺も除去できるので、多汗症改善も可能
・皮下組織の除去率が高く、再発しにくい
・皮下組織を残らず除去するので、わき毛が生えてこなくなる

デメリット

・傷跡が残りやすい
・医師が未熟だと穴が残る
・皮膚を削り取るので、手術痕が黒ずむことがある
・2~3日入院が必要なほか、術後1週間はワキを固定する必要がある

ついでに多汗症の治療もできる点が皮下組織削除法のメリットでしょう。わき毛が生えてこなくなる点については、女性にとってはメリットですが、男性にとってはデメリットになる可能性もあるので、検討が必要です。また、手術痕が黒ずみになったり、手術後しばらくは通常の生活ができないなどのデメリットもあるのが気になります。

ワキガ手術方法その3:皮下組織吸引法

美容外科クリニックなどでよく採用されている手術法となります。メスを入れてワキを切開する「剪除法」や「皮下組織削除法」と異なり、こちらはワキに数ミリの穴をあけて、専用の「カニューレ」と呼ばれる細い管を入れて汗腺などを吸引する方法となります。

メリット

・切開しないので、傷跡が残りにくい
・術後の回復も早く、入院も不要

項目名

・手術費用が高くなりやすい
・汗腺を取りきれず、再発しやすい

皮膚を切開しないので傷跡は残りにくく、体への負担も小さいため入院の必要もありません。ただ、切開して直接器具を挿入する方法ではないため、ニオイの発生源となるアポクリン腺を取りきれないこともあり、術後しばらくしてからニオイが再発したというクレームも多い手法となります。

ワキガ手術方法その4:超音波法

ワキの下に数ミリの穴をあけて、超音波発生器を挿入する方法です。発生する超音波はアポクリン汗腺のみにダメージを与える周波数に調整されているため、その他の皮下組織を傷つけることないとされています。

メリット

・アポクリン腺以外の皮下組織を傷つけにくい
・切開しないので傷跡が残りにくく、術後の回復も早い

項目名

・手術費用が高くなりやすい
・超音波によって熱が発生し、皮膚がヤケドしたり、組織内水腫の合併症が発生することがある
・汗腺を取りきれず、再発しやすい

傷跡が残りにくく、術後の回復も早い、現在人気の治療法となっています。しかし、まれにではありますがヤケドや組織内水腫の報告もあったり、アポクリン腺を取りきれず臭いが残ったりなどの報告もあるため、完璧な手術法とは言えないのが現状のようです。

レーザーを利用した手術もあるが、デメリットはある

他にも、ワキの下を切開してレーザーを照射し、アポクリン腺を破壊する「レーザーサクション法」や「マイクロレーザー法」などの手法もあります。しかし、これらはレーザーの出力が足らずにアポクリン腺が取りきれず臭いが残るといった事例があり、やはり完全ではないようです。

 

各手術方法の費用と保険適用について

ワキガ手術を行ううえで、効果や術後の経過などは気になりますが、次に気がかりなのが費用面だと思います。ここでは、上で紹介した手術方法の費用相場、保険適用状況などを解説します。

 

  費用相場 保険適用
剪除法

30~50万円
(保険適用時3~5万円)

可能な場合アリ
皮下組織削除法 20~40万円 ×
皮下組織吸引法 15~25万円 ×
超音波法 20~30万円 ×

 

基本的に、健康保険が適用できるのは剪除法のみとなり、さらに以下の条件があります。

 

保険対応クリニックであること

手術をする医院・クリニックが保険診療に対応している必要があります。美容外科クリニックなどの場合、保険診療は一切行っていない場合があります。

 

医師が保険適用を認めること

ワキガの臭いは判断基準があいまいで、数値で提示できないものとなります。なので、医師がワキガの臭いを実際に嗅いでみて、「この臭いなら保険適用できる」と判断した場合にのみ保険適用が認められます。

 

医師の判断が基準となるので、同じ人でも保険適用できる医院とできない医院が出てくることになり、場合によっては医院を何軒も回ることになる可能性があります。

 

条件を満たし、保険が適用されたときのみ、手数料や検査・処置料込で両ワキ5万円程度(3割負担の場合)での手術が可能となります。

 

その他の手術法は保険適用はムリ?

医院が保険適用を認めており、なおかつ上記の2つの条件を満たしていれば、理屈では剪除法意外でも保険適用は可能です。ただし、実際のところ剪除法以外で保険適用に対応している医院はほとんどなく、基本的にはほぼ保険適用外となります。

 

したがって、剪除法以外の手術を希望する場合、最低限30万円程度の予算は用意しておく必要があるでしょう。

 

ワキガ手術種類のまとめ

 

手術の特徴や費用面での違いをまとめたのが以下の表です。

 

  手術の効果 術後の回復 費用
剪除法
皮下組織削除法
皮下組織吸引法
超音波法

 

まず手術の効果(ワキガ消臭効果)についてですが、切開して原因となるアポクリン腺を取り除く「剪除法」「皮下組織削除法」がもっとも良く、穴を開けるタイプに関しては再発のリスクもあるということがわかります。

 

次に術後の回復についてですが、こちらは切開しないタイプの方が回復が早くなっており、傷跡も残りにくいです。切開するタイプはどうしても傷跡がふさがるまでに時間がかかり、なおかつ傷跡が残ってしまうリスクがあります。

 

最後に費用面ですが、こちらは保険適用可能な剪除法が圧倒的に安いです。その他の方法は保険適用は基本的に無理なので、数十万円の費用はかかってきます。

 

以上を考慮すると、1回の手術で根治させたい場合、そして費用を抑えたい場合は「剪除法」がおすすめです。剪除法は医師の腕によってニオイの除去や術後の回復度合いが変わってくるので、事前に腕のいい医師を探したり、手術がうまくいった人の話を聞いたりしてリサーチすることが重要となるでしょう。

 

再発のリスクがあってもいいから、術後の回復を優先したい場合は、皮下組織吸引法などの「切開しないタイプ」の手術を選ぶとよいでしょう。


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