すぐにできる多汗症改善方法を紹介

多汗症の種類はすでに紹介した通りで、全身から汗をかく「全身性多汗症」や、手汗がひどい「手掌(しゅしょう)多汗症」などさまざまな症状があります。

 

>>手掌足蹠多汗症や味覚性、全身性多汗症の原因とは?

 

ここでは、それらの多汗症改善方法として、すぐに取り組めるかんたんな方法をご紹介していきます。

 

汗をかきやすい食べ物、かきにくい食べ物

汗のかき方と食べ物には強い関係があります。食事をすると消化や代謝をするために熱が発生し、体温が上がるためです。

 

食べ物のなかで代謝熱が最も高いのがタンパク質となります。具体的には、動物性タンパク質の肉類・魚介類です。炭水化物に比べて5倍の代謝熱が発生すると言われており、体温が上がりやすく、汗をかきやすい食べ物と言うことができます。

 

タンパク質以外では、唐辛子などの香辛料も発汗作用があり、多汗症悪化の原因となります。もともと香辛料は気温の高い東南アジアなどで、汗をたくさんかいて体温を下げたり、食欲を増したりするために食べられているものです。日本も夏は確かに高温多湿ですが、エアコンなども発達しており唐辛子で体温を下げる必要はありません。むしろ、発汗作用が悪い方に働いて多汗症を重症化することにつながる可能性の方が高いでしょう。しかも、冷え性だと汗をたくさんかくことでかえって冷え性が悪くなることがあります。

 

なので、暑い夏に汗をダラダラかきたくないなら、肉類などの食べ物は控えめにして、そば、うどんなどの麺類がよいでしょう。麺類であれば、たんぱく質を多く取らずに炭水化物だけでお腹がいっぱいになるので最適です。とくに、そうめんや冷麦などの冷えている食べ物を食べると冷気で体温を下げることができるので、ダブルの意味で効果的です。

 

また、同じタンパク質でも、イソフラボンが含まれている大豆食品は多汗症改善に効果的です。イソフラボンには体内で女性ホルモンのように働く効果があり、女性ホルモンバランスが乱れて更年期障害になり、ホットフラッシュなどを起こしている際に効果を発揮します。更年期性の多汗症に悩んでいるときは、豆腐、納豆、豆乳などで積極的に食べるようにするとよいでしょう。

 

汗の拭き方1つで多汗症は軽減できる

多汗症は自覚症状が強いので、対策としてハンカチやタオルを持ち歩き、汗をかくたびに拭いて対処している人は多いはずです。

 

汗をふくこと自体はよいのですが、ふいてもふいてもどんどん汗が噴き出してくる、という経験をしたことがある人もいるでしょう。実は、それは汗の拭き方が間違っている可能性が高いです。

 

汗には体温調節機能があることは常識です。皮膚上の汗が蒸発することで、体温を下げる効果があるわけです。しかし、汗が出るたびにハンカチやタオルでふき取ってしまうと、体温を下げることができないため、また汗をかいてしまうことを繰り返してしまうのです。

 

また、ごしごし汗を拭いてしまうと、汗腺を刺激してしまい、余計に汗がでてくることにもつながります。

 

なので、ひんぱんにふき取って皮膚を乾燥した状態にしようとするのは避けたほうがいいでしょう。ハンカチでふき取るのはダラダラと流れるような汗だけにして、皮膚はしっとり濡れている状態にするのが理想的です。

 

汗の臭いが気になる場合は、湿ったタオルやウェットティッシュでふき取るのも手です。ニオイ成分は水に溶けるので、湿ったタオルでふくことである程度ニオイ成分をふき取ることが可能となります。

 

なお、皮膚が敏感で汗をかくとあせもになってしまう体質の人は、汗をかくたびにふき取ったほうがよいでしょう。

 

入浴方法を一工夫して汗の量や臭いを改善する

多汗症の原因の一つに、「汗腺の体温調整能力が弱っている」場合が挙げられます。体が「どのくらい汗をかけば体温調整できるか」ということを把握していないため、たくさん汗をかいて調整しようとし、多汗症になってしまうわけです。

 

そういう場合は、汗腺のトレーニングをして、少ない汗でもしっかり体温を調節できるようにしておくといいでしょう。

 

入浴方法としては「半身浴」がおすすめです。半身浴だと上半身は体から出ているので、お風呂に入ってかいた汗が上半身から蒸発していきます。つまり、汗をかいて体温を下げるというプロセスを体が覚えることにつながり、汗腺トレーニングになるのです。

 

全身浴だと、体全体がお湯につかっているため、かいた汗は蒸発せずお湯の中に消えていきます。そのため体温調節ができず、体が「汗をかいても体温が下がらない、もっと汗を出さないと」と覚えてしまうのです。

 

半身浴の方法としては、38度程度のぬるいお湯がよいでしょう。ぬるいぶん長く入ることができ、そのぶんしっかりと汗腺のトレーニング効果を果たすことができるからです。

 

水分補給を絞らないことも重要

「多汗症になるのは、体の水分が多いから」と考えて、水分補給を少なくしてしまう方がいますが、大きな間違いです。

 

体内の水分が多くなった場合、増えるのは尿の量となります。汗は脳が必要と判断して出しているに過ぎないので、体の水分量は関係ないのです。むしろ、体の水分量が少ないときでも、脳が必要と判断したら発汗してしまうため、脱水症状を起こし、夏であれば熱中症で命に関わる可能性があります。体の水分量を少なくしたからといって汗の量減らせるわけではないですし、脱水の危険もあるというわけです。

 

また、体内の水分量が極端に少なくなると汗の水分量がへり、粘度の高いものとなってしまいます。その分臭いがきつくなるため、汗臭さが増しますし、ワキガなどを持っている場合は強烈な臭いを出してしまうことになります。

 

なので、多汗症が気になる場合はむしろ水分補給をこまめに摂り、脱水を起こさないように注意する必要があるのです。


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