多汗症にはどんなものがある?

多くの人が多汗症で思いつくのは、全身から汗をかいてしまう「全身性多汗症」ですが、他にもさまざまな多汗症があります。

 

特に多いのが、体の一部分に汗をかいてしまう局所性多汗症です。その中でも、手汗だけをやたらとかいてしまう「手掌(しゅしょう)多汗症」や、足だけに大汗をかいてしまう「足蹠(そくせき)多汗症」など、体の一部だけに汗をかく症状を訴える人が多いようです。また、食事をしているときだけ汗をかきやすい「味覚性多汗症」という症状もあったりします。

 

ここでは、まずは多汗症を理解するために、多汗症の種類と特徴をご紹介していきます。

 

手掌(しゅしょう)多汗症

ここ数年で話題になることが多くなった「手汗」ですが、この手汗を異様にかいてしまうのが「手掌多汗症」です。体の一部に大汗をかいてしまう局所性多汗症に分類されます。

 

実は「手汗」そのものは誰でもかくものです。「手に汗握る」という言葉があることからわかるとおり、人は誰しも緊張したり興奮したり、あるいはストレスを感じたりすると手からじっとりと汗をかくようにできているのです。このこと自体は自然な生理現象の一つなのです。

 

しかし、手掌多汗症はそうではなく、リラックス状態でもつねに手が汗ばんでいる状態となります。当然、緊張やストレスを感じると手から滝のように汗をかいてしまうのです。そして、手を洗ったわけでもないのにハンカチがびしょ濡れになったり、紙を触ったらくっきりと手のあとがついてしまう、なんてことが起こるのです。

 

そして、「あの人から渡されたものはいつも濡れている」とか「いつもハンカチで手を拭いているけど、よっぽど手汗がすごいのかな」などとウワサされてしまうことになります。

 

日本では幸いそれほど浸透していませんが、手掌多汗症の人にとっては握手もやっかいです。黙っていればバレない可能性があるのに、握手をするとすぐに汗でびしょびしょなのがバレてしまうからです。

 

このように、手掌多汗症の人は対人関係が普通に行いにくくなり、精神的なストレスをためこんでしまうことになるのです。

 

とはいえ、手掌多汗症には症状の重さに個人差があり、ちょっと濡れている程度なのに気にしすぎているケースも多いです。思い返してみると、「手汗」という言葉自体ここ10年くらいで出てきたものであって、かつてはほとんど気にされていなかったはずです。それが、最近になって話題にのぼることが多くなり、ちょっと手汗をかくだけで「もしかして、私も手掌多汗症なのでは…」と思い込んでしまう例もたくさんあるのです。

 

すでに書いた通り、誰でもちょっとした手汗程度ならだれでもかくものです。なので、思い悩んで治療を模索するよりも、まずは自分の手汗の程度を他の人と比較してみたりして、本当に手掌多汗症なのかどうかを判断したほうがよいでしょう。

 

足蹠(そくせき)多汗症

手汗をたくさんかいてしまうのが手掌多汗症です。一方、足の裏に大汗をかいてしまうのが足蹠多汗症となります。

 

手のひらと同じく、足の裏に関しても誰しもがじっとりと汗ばむものです。靴下や靴をはいてムレてしまうことも当然誰でもあるでしょう。しかし、足蹠多汗症の場合は汗の量が段違いで、靴下がつねに濡れてしまい、靴の中に汗がたまって靴底からしみ出してしまうほどの汗をかいてしまいます。

 

靴を脱いだら解決するかというとそんなことはなく、廊下に足あとが残るほど汗をかいてしまうので、誰かの家に招待されても恥ずかしくて上がれないというケースもあったりします。

 

足の裏が濡れているので本人はイヤというほど不快な感触を味わうことになります。ちょうど急に雨に降られてしまい、靴底が濡れてびしょびしょになっている感覚です。

 

また、足の裏は普通地面についていますし、靴下をはいたり、靴を履いたりしているので他の人からは見えない状態となっているので、手掌多汗症のように直接気づかれてしまうことは少ないですが、足の裏の臭いがひどくなりやすいので、いずれにせよ対人恐怖症とも直結した症状となります。

 

手掌多汗症とは違い自覚症状が強く、、他人との違いが明確に出るため、「自分は足蹠多汗症じゃないか」と思う場合は思い過ごしの可能性は少ないです。多汗症のケアを行ったり、クリニックでの診察を受けてみるなどの対策を行うことをおすすめします。

 

味覚性多汗症

多汗症の中には、「味覚性多汗症」と呼ばれる症状もあります。何かを食べたときの、味覚刺激によって大汗をかいてしまう症状のことです。

 

辛い物をたべたときに汗をかくのは普通の生理現象となり、誰にでもあることです。しかし、味覚性多汗症の場合はさらに症状が一歩進んでおり、何を食べても大量の汗をかいてしまいます。

 

汗のタイプはいろいろで、額や顔から汗をかくだけの場合もあれば、わきの下や背中などの局所的発汗、さらには全身から大汗をかく全身性のものまであります。また、酸っぱいものだけに反応したり、何か特定の食材などに反応したりなどさまざまなケースがあります。

 

味覚性多汗症はまだまだ未知の部分が多いですが、精神的な部分が原因なのではないかと考えられています。その証拠に、味覚性多汗症の人は、まだ実際には食事していないのに、食べ物の話をしているだけで顔から汗がしたたったりすることがあるのです。

 

具体的な原因としては、過去に特定のものを食べていて、何か大恥をかいた経験があるとか、無意識に食べたものがとんでもなく辛かったなど、トラウマ的な思い出が考えられます。さらに重度の場合は、「食事=汗をかくもの」という刷り込みがあり、冷製パスタやそうめんなど、冷たいものを食べても汗をかいてしまうという事例もあるほどです。

 

そのため、味覚性多汗症に関しては多汗症そのもの治療よりも、メンタルケアが重要な役割を果たします。

 

全身性多汗症

手掌多汗症などの局所性多汗症、さらにはメンタル面の影響が強い味覚性多汗症の説明をしましたが、多汗症のイメージとして最も一般的なのが全身から汗をかく「全身性多汗症」です。

 

その名の通り、胸・背中、お腹やおしり、足など、全身のさまざまな箇所から大量の汗をかいてしまう症状となります。

 

全身性の場合原因の特定はなかなか難しいという特徴があります。というのも、体温調節機能が乱れているだけのこともあれば、急性リウマチなどの病気の影響、さらに女性の場合はホルモンバランスの乱れからくる更年期障害が原因のこともあるからです。

 

また、汗の量というのはストレスや緊張などの精神面の影響も大きく、「汗をかきやすい性格」というものも存在します。したがって、親から子へそういう性格が受け継がれてしまうという「遺伝的要素」も要注目です。

 

なので、全身性の多汗症については、ただ多汗症のケアをしたり、多汗症の医師に相談するだけでなく、自分の置かれた状況を考慮してさまざまな専門医にアドバイスを得てみることも重要となります。

 

ホットフラッシュ

更年期の女性がなりやすい多汗症状に「ホットフラッシュ」があります。ホットフラッシュとは、急にのぼせたようになり、大量に発汗してしまうことで、更年期障害の代表的な症状となっています。外の気温は全く関係なく発汗が起こるので、季節を問わず大量の汗をかいてしまうことになります。ある程度時間がたてば収まりますが、人がいる前で火照ってしまうと恥ずかしさがともなうため、対人恐怖症などを伴ってしまうこともあります。

 

更年期障害の一つなので、原因は女性ホルモンバランスの乱れとなります。原因が明確なため対処法もわかりやすいです。

 

  1. 規則正しい生活をして、朝に太陽の光を浴びる
  2. 3食しっかり食べる
  3. しっかり入浴して、体の末端を温める
  4. お腹を冷やさないように、腹巻などをする
  5. 軽く運動する

 

などなど、ホルモンバランスを整えるための対策を行って対処していきましょう。


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