「自分は臭い」と思い込んでいるだけかも

本当は臭わないのに、「私は臭いかもしれない」と思い込んでしまうことは誰にでもあることです。ですが、それが度を越してしまうと自臭症(自己臭症)と呼ばれる状態になってしまいます。

 

自臭症の状態になると、妄想的に自分の臭いを心配してしまい、必要以上に制汗剤などのデオドラント商品を多用してしまったりします。10分おきに制汗剤をつけたりして、その結果ワキなどがかぶれてかゆくなったりしますが、自分が臭いことを妄想してしまっているのでやめることができず、苦しんでしまうことになります。他人との関係で起こる対人恐怖症のため神経症として分類されます。

 

「私は口が臭いんじゃないか」「俺は頭皮が臭いかもしれない」など、自分が臭いと感じてしまう箇所は多種多様ですが、中でも多いのが「ワキが臭いんじゃないか」とワキガを妄想してしまう例です。

 

ワキガは体の臭いのなかでも一般によく知られているものですし、人間はワキから汗をかくものなのでちょっと服が湿ったりしただけで臭いを連想してしまいやすいのです。

 

自己臭症の原因は?

自己臭症になってしまう原因はいろいろ仮説がありますが、その中でも有力なのが、日本独特の「人間関係」です。

 

現代の日本は、消臭剤がよく売れたり、「デオドラント」という言葉がトレンドになるほど臭いに敏感な社会です。当然、他人の臭いに対しても敏感になっていますが、その割に直接指摘することができず、影でウワサする程度でしか表に出てきません。

 

とくに、今はセクハラ・パワハラにも敏感ですから、直接指摘することが余計に難しくなっています。

 

そのため、もし周りに臭い人がいても言いだすことができず、心の中でモンモンとしつつも我慢することが多くなるのです。

 

そんな状況で、もし自分のワキが汗をかいているのを感じたり、他人が自分の顔を見てちょっと嫌な顔をしたらどう思うでしょうか?「もしかして、自分は臭いのでは?」という考えが脳裏をよぎるかもしれません。

 

誰も「あなた、ちょっと臭いますよ」と言ってくれないのは、自分が一番よくわかっています。その状況でワキに汗が流れるのを感じると、「もしかしたらワキガかもしれない」と思い込んでしまうことになるのです。

 

自己臭症のチェックはしないほうがいい

自分が自己臭症かどうか判定するために、チェックリストを試してみたいという気持ちはわかります。ですが、自己臭症のセルフチェックリストなどで自分の状態を確認するのは、やめたほうがいいかもしれません。

 

というのも、自己臭症の人の多くは「自分の臭いを一切なくしたい」と思う傾向があるからです。でも、人間も結局は動物なので、多かれ少なかれ臭いを発生させるものなのです。もちろんそれが気づかれないレベルか、もしくは治療が必要なものかは場合によりますが、体臭そのものは必ず出ています。

 

それを全くなくすというのは不可能です。ワキガ治療にしても、100ある臭いを10~20くらいまで下げるものであって、完全になくすものではありません。

 

なので、自己臭症のチェックをしたところで、どうしても1つは当てはまる項目が出てきてしまうので、「やっぱり自分は臭いんだ」と思って自己臭症が悪化してしまうケースが多いのです。

 

自己臭症の克服方法とは

まずは自分なりのデオドラントをひととおり試してみましょう。そうすることで、満足感を得て自己臭症が改善する可能性はあります。ワキガだと感じているなら、まずはワキガ対応のデオドラント製品を使ってみるといいでしょう。

 

もしそれても不安が消えないようであれば、こんどはワキガクリニックに行って医師の診察を受けてみましょう。専門医師であればワキの臭いを正確に判別できるので、手術が必要ないレベルの臭いなら手術をすることにはなりません。自己臭症は今やクリニックでも常識となっている症状なので、その人が本当にワキガなのか、それとも自己臭症なのかはきちんと見分けることができます。

 

あとは医師と相談して、精神的なカウンセリングを受けたり、安定剤を処方してもらって様子を見たりして、自己臭症を徐々に克服していくことになるでしょう。